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「風立ちぬ」感想

  巷の評判がどういう大勢に傾いているのかは知らないが、素晴らしい映画だとは思わなかった。が、べつにつまらないわけではなく、好きなシーンがいくつかある良い映画だった。
 
  一番好きなのは「センスは時代を先駆ける。技術は後からついてくる」という言葉。
  設計に限った話でもあるまい。コレを受けて、となると陳腐だけれどセンスで時代を駆け抜ける人間になりたいものである。
 
  婚姻の儀、というのか、そのときの菜穂子は美しかった。
  そのままパタリと倒れてしまうのかとすら思ったが、そういう劇的なシーンがある映画ではない。淡々と……けれど、描かれていないところが描かれているような気持ちになれるので、そのへんの余韻がよかったのだろう。
 
  震災なんかは描写されるけれど、その惨状はすぐ次のシーンには復興している。二郎の挫折にしろ、徹底して暗い部分を表に出していないのは、「美しいところだけを、好きな人に見てもらいたかったのね」という言葉が作品全体のメッセージにもあるのかもしれない。
  とはいえ、決して美しいところしか見えないのではなく、その裏に裏があるからこそ、美しく見えるのだと思う。
 

ゼノブレイド ネタばれ無し感想

※この記事は 2010/6/24 に mixi に投稿した日記の再掲です。


60時間弱かけてクリアしたので感想とか。
シナリオに関するネタばれはほぼ無いと思われる。

■戦闘
FF12に例えられてるけど、全然別物。よくある3DのMMOと言った方が正しい。通常攻撃はオートで、スキルを適宜入力していくやつ。基本的に仲間に指示は出来ず、大して頭の良くないAI任せ。
FF12のように戦闘中にリーダーの変更やメンバーチェンジは出来ないので、操作キャラは誰か一人だけになり、大味な戦闘になりがち。こちらより明らかに強い相手に頭を使って勝つ、ということは基本的に出来ない。特にレベルの離れた赤ネームの敵は絶望的で、レベル差による回避補正が相手にかかってこちらの攻撃が全くと言っていいほど当たらない。出来ることはレベルを上げて出直すだけ。
設定を戦闘に組み込んだビジョンシステムも、逆に戦闘のテンポを妨げてる。正直出てくると鬱陶しい。元々の戦闘のテンポは悪くないのに、ビジョンとか処理落ちで残念なことになってる。
他にもテンションとか連携とかスキルとかヘイトとか、いろんな要素はあるけどどれもわりと死んでる。テンションなんてあったの40時間くらいプレイしてから思い出した。ヘイト操作もいまいち意味をなさないしなあ。

そして一番ウザいのが主人公のボイス……。技を使うたびに、
「いっけぇぇぇえええぇぇええ!」
「そこだああああぁぁぁぁぁああ!」
「うおおおおおぉぉぉあおおおおお!」
と叫びまくる。これが誇張じゃなく本当に耳障りなので勘弁してほしかった。主人公を外そうにも、主人公がアタッカーとしてかなり優秀なので使わざるを得ない。技名言うだけで十分だっただろ……。

ディスりまくってるけど、ときどきテンポが悪いのと主人公がうるさいのを除けばストレスなく遊べたので、まるで全然ダメってわけではなかった。とにかく全体的に惜しいと言うか、もうちょっと上手く出来ただろうになあと思わせる残念なシステムだった。

■フィールド
良くも悪くも広すぎる。
FF13の平原が20個くらいある。要所要所にはテレポ出来るのでまだマシなものの、探索するのは俺にはダルすぎた。移動速度を上げる乗り物の存在も無い。
マップも見やすいとは言えない。二次元ではなく三次元に広がるフィールドが多いのもマップの分かりにくさに拍車をかける。
ただ、オープンフィールドで、だだっ広いフィールドのどこにでも画面遷移無しで行ける、というのはなかなか圧巻。高所から飛び降りてショートカットしたり(あんまり高いと死ぬけど)、どんなに高くても水に飛び込めば無事だったり、平原を一望したりするのは楽しい。つまり高いところは楽しい。
ただやっぱり広いので、クエストの対象になってるモンスターやアイテムを探すのは骨が折れる。個人的にはもうちょっと狭くてもよかった。

■クエスト
良くも悪くも多すぎる。
とにかく多い。果てしなく多い。本編中はほぼスルーしていたのでクリア後にwikiを見ながらやり始めたけど、さすがに多くてダレそう。
PTメンバーによる特殊会話があったり、クエストだけじゃなく普段の会話から繋がりを感じさせるシステムだったりするのは良く作りこまれてるなー、という感じなんだけど、如何せん多すぎて力尽きる。穏やかじゃないですね。

■音楽
ここだけは手放しで褒められる。
うっかりサントラをポチってしまった。
平原の曲とか、メインテーマっぽいやつが好き。

■グラフィック
Wii。
Wiiにしては頑張ってるとはいえ、所詮Wii。PS3だったら……と思わせる。
あと、装備によって外見が変わる上に、イベントシーンにもそれが反映される。歓迎する人もいるかもしれないけど、シリアスな場面で性能を求めた装備のせいでひどい格好のキャラが出てくると、笑うと同時にちょっと萎える。メインの3人以外の装備をほとんど変更する気になれなかったのはきっとそのせい。イベントシーンではデフォのグラフィック、とかオプションで選択させてくれてもよかったんじゃないか。

■UI
使いづらいと感じることが多い。
特にアイテムの整頓が毎回入手順に戻されるのはどうにかしてほしかった。

■いわゆるやりこみ要素
クエストの多さもそうだし、広いフィールドにもその辺にごろごろ強敵が歩いてる。コレペディアっていう収集アイテムを登録する辞典のようなものもある。
そういうのが好きな人にはいいのかも。ただし所持アイテム数には上限があってアイテムコンプは出来ない。

■その他
ショップの存在意義を全く感じなかった。拾った装備でなんとかなるし、アーツの奥義書を買うくらいだった。
どこでもセーブが出来るし、全滅してもノーペナルティでちょっと戻されるだけなのは安心ではあるけど、緊張感がなさ過ぎる気もした。
堀川りょうが堀川りょうすぎた。

■まとめ
ボリュームはありすぎるほど。箱庭の中を歩きまわるのが好きな人にはオススメだと思う。クエスト全無視でも50時間遊べる。クエストを始めるとカンストするらしい。何故100時間でカンストにしたんだ。
シナリオは普通かな。あまりキャラに感情移入出来なかったので、俺にはなんか微妙でした。
音楽の良さを加味して★4くらいにしとこう。

【ネタバレ】 FF13感想。

※この記事は 2009/12/29 に mixi に投稿した日記の再掲です。


クリアして、ミッション全制覇、亀一味もガチで倒せるくらいになったので二週目を始めたあたりでの感想。

■ストーリー
うーん、キャラクターへの感情移入が出来ないまま終わってしまったという感じ。
スノウ、ヴァニラさん、ホープあたりは序盤のイメージの悪さを引きずってる気がするし、ファングに関しては掘り下げが足りなくって最後の見せ場でポカーンとしてしまう。アーシェが「バルフレアーッ!」って叫んだときのような。
道中、何のためにどこへ向かっているのか、が分かりにくいのも難点。会話は最小限に留めて、細かい説明はすべてオートクリップに回した弊害というか。これはストーリーや用語全般に言えることだけど。
オートクリップのような説明を、一度は強制で表示するとよかったんじゃないかなー。後から見直す分にはオートクリップがあれば便利なんだけどさ。
あと、魅力のある敵キャラがいない!ナバート中佐とか戦わせてくださいよ。主人公たちがルシで、人間を超越してしまってるが故に敵が機械ばかりになってしまったのかもしれないけど。でもライトが「PSYCOMの上の方はバケモノばかりだ」とか言ってたのをもうちょっと活かしてほしかった。
まあ不満はそこそこあるけれど、エンディングはわりと好きな方だったり。音楽のおかげもあるかもしれない。

■音楽
キャー浜渦さん最高。サントラはまだですか。
個人的に浜渦さんのファンというのを抜きにしても、世界観にマッチしたいい音楽だと思う。
ボス戦になるとがっかりするくらい通常戦闘がカッコ良すぎたり、テーマ曲も良かったり(これは植松さんだったっけか。ちょっと憶えてないけど)、あとバルトアンデルス戦もいいね!
とにかくサントラが待ち遠しいです。

■戦闘
面白い。
最初は○ボタン連打で死んだらリスタートのヌルゲーかと思ったけど、全然そんなことはなかった。雑魚避けて進んだらボスが超つえーの。当たり前か。
とにかく頭、判断力を要求されるのがいい。雑魚でも敵に合わせたオプティマにしないとよく全滅するし、全滅しなくても効率良く倒せない。12よりも自由度は低いけれど、よく出来たシステムだ。
かゆいところに手が届かないのは、AIの宿命かなーという感じ。
まあテンポもいいし、歯ごたえのあるボスも多いし、これまでのシリーズでもかなりトップクラスの出来だと思う。

■クリスタリウム
10のスフィア盤の正当進化って感じでそんなに文句はないのだけど、インターフェイスがちょっと難。
取りそこねたところにワンボタンで戻れるようにするとか、全体を見やすくするとか。。
CPいっぱい貯めて○ボタン押しっぱなしでぐいーんって進むのは爽快でよかった。

■改造
金がかかりすぎ。というか、金が貯めにくすぎ。
クリアには全然問題ないんだけど、クリア後にトロフィーを集めだすと一番のネックになるのが改造、つまり金。
いわゆるやり込み要素を全部極めるのに時間がかかるのは別に全然構わないと思うんだけど、今回って金策手段がかなり限定されているので、結局は十数時間ずっと同じことの繰り返しになるんだよなー。
ミッションの報酬としてある程度の金と素材をもらえて、メイン3人分の最強武器を作るくらいには困らないって感じだったらよかったかなあ。そこから先は頑張ってね、と。
改造自体の話に戻ると、素材はやたら種類があるのに、それが全然活かせてない。もしかしたら今後組み合わせで何か新しいことが判明するかもしれないけど、たぶん無い気がする。ボムの塊を一定数突っ込んだら炎属性がつく、とかでよかったのに。複雑なのを避けてあえて簡略化したのかなあ。
1段階目強化にはいくつか鉱石の種類があるのに、2段階目はトラペゾ一択なのもアダマン狩り一直線過ぎてなんとも。各地の強いザコがいろんな触媒を落とせば楽しそうなのに。

■マップ
なんで□押した時に表示されるやつまで回転させちゃったのw
それは置いといても、全体像が把握しにくいのは残念。コクーンの中とかもどこに何があるのかがわかれば、シナリオ理解の手助けにもなったんじゃないかなあ。

■一本道
個人的にはそんなに悪くないと思ってる。ので、あまりコメントが見つからない。。
まあ11章まで行けばミッションもあるし、ええんちゃうかなあ。バトルメンバーはもうちょっと早くから入れ替えられてもよかったかもなーとは。

■ミッション
ボリューム的には丁度いいと思う。☆5を目指すと意外なのが難易度高いしね。
DLCがどうこうってたまに2chスレで書かれてたりするけど、ほんとにあるんかな。

■街の人との会話が自動
いろんな人が言ってるけど、コレ地味にいいよね。
なかなか画期的なシステムだ。もしかしたら昔からあるかもしれないけど。

■トロフィー
なんでセラのテーマ開放が全トロフィーゲットやねん!
めんどくさくてやってられねえ!とりあえずライトさんのテーマにしてます。

■父ちゃん。。。
        HP 物攻 魔攻
ライトニング  20000 1700 1700
サッズ     27000 1000 1000
スノウ     30000 1500 1200
ヴァニラ    21050 1400 1700
ホープ     18000 1100 1900
ファング    24000 2005 1335

どうしてこうなった

ファングがとにかく優秀なのがなー。
ブレイダとかまで覚えるし、この辺はさすがにサッズにあげてよかったんじゃないか。。
地味にホープ君のルイン連発アタッカーがめっちゃ強かったりする。ヒーラーにしてもブラスターにしても優秀すぎてヴァニラさんの出る幕があんまり無い。ヴァニラデスって語感はすごくウケたけど。
まあでも、クリアまでは固定パーティより臨機応変にメンバーを変更してった方が断然進めやすくって、そういう意味ではバランス取れてたと思う。好きなキャラだけでもクリア出来ないことは無いと思うし。
召喚の格差はしょうがねえのかな。バランスブレイカーになるような召喚獣がいないのはいいけど、全滅しまくった以外ではあんまり存在感はなかったなー。リーダー以外の召喚獣も召喚出来たらいいのにな。

■制限プレイ
クリスタリウム完全禁止はちょっと無理そうな気がするけど、どうなんかな。
ぬるめにロールレベル1制限でちょっとやってみようと思ってたり。あと面白そうなのがノーセーブノーリスタート。こんなんやる気力はないので、どっかのレベル1のヴァン一人でクリアしたりする人がやってくれないだろうか。

■ホープ父
どうなったん。俺の予定ではこの人も撃たれて死ぬはずだったのに。

■総評
最後の方はだいぶどうでもいいことを書き連ねたけど、戦闘・音楽が良かったのでよし!
クリア後要素も、金稼ぎ以外は常識的な範囲の時間で終えられて楽しめた。
あとここまで忘れてたけどグラフィックはやっぱり綺麗。最近アンチWii、DSになってきてるので、もうなんでもPS3とPSPで出せばいいと思いました。
以上。